ご父兄の中には、「子供がどうも目が悪いらしい・・・いったい、いつ頃から、または、どのくらいの視力から、メガネをかけさせればいいのだろう」とお悩みの方がおられるようです。「あまり小さなうちはかわいそう」「メガネをかけたらドンドン目が悪くなるって聞いた・・・」などなど。
まず、小学1年生でも(幼児でも)メガネをかけなければいけない場合があります。これは、弱視(視力が育っていない)や一部の斜視(片目が内や外を見ている)の治療が目的のものです。治療の時期に限りがあり、タイミングを逃すと治らなくなりますので注意が必要です。この時、周囲の人の協力を得るために、同居家族または担任の先生と眼科医との連携が必要なこともあります。
次に、視力がA,A(両目1.0以上)でもメガネをかけることがあります。中度以上の遠視がある場合で、遠くは1.0と良く見えていても、近くが見えにくいことがあるからです。特に低学年の子供は、自分から「近くが見えにくい」と訴えることは少ないので、親の日頃の注意が大切です。本を読む時に、“目を細めている”とか“集中できないよう”などで見つかることがあります。
上記以外の場合は、“不便ならメガネをかける”ということになります。しかし、「子供がメガネは要らない、と言うからまだ必要ない」ということではありません。かけたくない理由が、「恥ずかしいから」とか「カッコ悪いから」ということもあるからです。また、メガネをかけ始める目安として、“黒板の文字が見えにくくなったら”というのがありますが、これも十分なわけではありません。もちろん黒板の字が見えにくいようでは勉強が遅れてしまいますので、それまでにメガネを作ることは必要ですが、子供それぞれの個性や行動範囲・環境に応じて考えてあげる必要があると思います。メガネをかけることで、もっと野球が(もっとピアノが)うまいかも知れない。星に興味を持つかも知れないし、景色に感動するかも知れません。小学校時代の可能性や感受性は大切にしてあげたいものです。また、危険にもっとすばやく対応できるかも知れませんね。
そもそも、近視の子は近くは見えており、その見える範囲で生活できているので、それほどメガネの必要性を感じないこともあるようです。こうゆう子供の中には、眼科の外来で初めて矯正(レンズを使った)視力検査をして、遠くが良く見えることにビックリするケースもみられます。
学校の視力検査でチェックされたら、まず信頼のおける眼科で矯正視力検査を受け、できればメガネ装用(試しかけ)をし、遠くまで良く見える状態を一度体験した上で、子供それぞれの事情をよく医師と相談して、メガネをかける時期を決めるのがよいのではないでしょうか。場合によっては、“塾や大きな教室用”とか“映画・コンサート・スポーツ観戦用”など、必要な時だけかけるメガネを作ることもあります。この場合でも、正しいメガネを正しく使う限りにおいて、メガネによって目が悪くなることはないと思われます。
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